越後長岡を中心にローカルな食べ物やネタをレポートするB級ブログ
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ちょっと今日暇だったから、久しぶりに国立国会図書館の近代デジタルライブラリーで昔の農業書を漁ってみた。
そしたら偶然見つけた大正10年刊行の本に神楽ナンバンについての記述があるのを見つけてしまった。
(クリックで拡大されます)
「蕃椒は古来自家用としてわずかに八ツ房を栽培したが、明治三十年頃より海外に輸出の道開けしと共に、暫次栽培方も増加し、その後鷹の爪の有利なることを認めて、栽培するようになって来た。
我が県下(静岡県)だけでも五十町歩ほどの栽培をしている。
この蕃椒の種類はというに、鷹の爪・三鷹・八つ房・ハンガリー・神楽ナンバン・豆蕃椒・黄金ナンバン・糸ナンバンその他各種あるが、海外に輸出さるべきものは鷹の爪以下ハンガリーで、神楽ナンバン以下のものは米国で主に栽培している。
我が国では鷹の爪・三鷹・八つ房の他は栽培しても販路の見込みはないのである。
従って鷹の爪・三鷹を栽培するのがもっとも得策である。」(大正10年刊行・織田利三郎著「一坪農法」)
その続きの部分にアメリカでの神楽ナンバンの利用法が書いてある。
「貯蔵は荷造り前に三日間くらい日光風当たりのよきところに乾かし、品質の分別完全の物を袋に入れ、これを荷造りするもので、海外において需要の地は英米を以って第一とし、その他に多少輸出があるとも、いずれの国でも蕃椒の出来ぬところはない。用途も多額で驚く他ないくらいである。
殊に鷹の爪は漬物の腐敗を止め、若しくはその漬物の美を飾るをもって利用される。
八つ房・ハンガリーの大なるものはいずれもソースの原料の大部分で、世界中これが用途は多大なものである。
神楽ナンバンはトマトソースの原料となって、多くの米国人に利用され、いずれも食料香辛料なるが故に、その選別もしくは乾燥または荷造り等は衛生上十分注意するべきものとしてある」
トマトソースに神楽ナンバンを使ったってことは、パプリカパウダーみたいに干して乾燥させて粉末状にしてから香辛料として使ったってことかな?
なんかチリソースな気がしないでもないけど・・・よーわからん。
まあそんなわけで神楽ナンバンは大正10年頃には静岡在住の農業学者が「神楽ナンバン」という呼称で呼ぶくらいには知られた存在だったようです。
そしてこの本に記された「神楽ナンバン以下のものは米国で主に栽培している」という記述や、以前見つけた明治時代の種苗カタログに神楽ナンバン激似な洋種の蕃椒のイラスト(下図参照)を見て、個人的に神楽ナンバンのルーツについて結論を出した。
神楽ナンバンは明治時代にアメリカより導入され、東京の種苗会社経由で新潟に伝播したものである、と。
まあ市場の会長には伝えてみるけど、いろいろ商売上の都合もあるだろうからこの説が採用されるかわからんけどねー。
ま、たぶん無理だ。
面白く無さ過ぎて販促に使えない。
体よく無視されるってのが関の山ってとこかなぁ。
てゆうかそれ以前に興味持たれないかもしんないやw
おまけ
ついでに見つけた巾着茄子と豊栄のやきナスの祖・佐土原茄子に関する記述。
(軍隊地方農事講習全書・大正4年刊・古瀬伝蔵著)
佐土原茄子の系統は豊栄のやきなすの他に、県内では白根のえんぴつ茄子、地元宮崎にはまんま本場の佐土原茄子、そして長野にていざなす、と分散して残っており、それぞれの地域で伝統野菜として高く評価されている。
そしたら偶然見つけた大正10年刊行の本に神楽ナンバンについての記述があるのを見つけてしまった。
(クリックで拡大されます)
「蕃椒は古来自家用としてわずかに八ツ房を栽培したが、明治三十年頃より海外に輸出の道開けしと共に、暫次栽培方も増加し、その後鷹の爪の有利なることを認めて、栽培するようになって来た。
我が県下(静岡県)だけでも五十町歩ほどの栽培をしている。
この蕃椒の種類はというに、鷹の爪・三鷹・八つ房・ハンガリー・神楽ナンバン・豆蕃椒・黄金ナンバン・糸ナンバンその他各種あるが、海外に輸出さるべきものは鷹の爪以下ハンガリーで、神楽ナンバン以下のものは米国で主に栽培している。
我が国では鷹の爪・三鷹・八つ房の他は栽培しても販路の見込みはないのである。
従って鷹の爪・三鷹を栽培するのがもっとも得策である。」(大正10年刊行・織田利三郎著「一坪農法」)
その続きの部分にアメリカでの神楽ナンバンの利用法が書いてある。
「貯蔵は荷造り前に三日間くらい日光風当たりのよきところに乾かし、品質の分別完全の物を袋に入れ、これを荷造りするもので、海外において需要の地は英米を以って第一とし、その他に多少輸出があるとも、いずれの国でも蕃椒の出来ぬところはない。用途も多額で驚く他ないくらいである。
殊に鷹の爪は漬物の腐敗を止め、若しくはその漬物の美を飾るをもって利用される。
八つ房・ハンガリーの大なるものはいずれもソースの原料の大部分で、世界中これが用途は多大なものである。
神楽ナンバンはトマトソースの原料となって、多くの米国人に利用され、いずれも食料香辛料なるが故に、その選別もしくは乾燥または荷造り等は衛生上十分注意するべきものとしてある」
トマトソースに神楽ナンバンを使ったってことは、パプリカパウダーみたいに干して乾燥させて粉末状にしてから香辛料として使ったってことかな?
なんかチリソースな気がしないでもないけど・・・よーわからん。
まあそんなわけで神楽ナンバンは大正10年頃には静岡在住の農業学者が「神楽ナンバン」という呼称で呼ぶくらいには知られた存在だったようです。
そしてこの本に記された「神楽ナンバン以下のものは米国で主に栽培している」という記述や、以前見つけた明治時代の種苗カタログに神楽ナンバン激似な洋種の蕃椒のイラスト(下図参照)を見て、個人的に神楽ナンバンのルーツについて結論を出した。
神楽ナンバンは明治時代にアメリカより導入され、東京の種苗会社経由で新潟に伝播したものである、と。
まあ市場の会長には伝えてみるけど、いろいろ商売上の都合もあるだろうからこの説が採用されるかわからんけどねー。
ま、たぶん無理だ。
面白く無さ過ぎて販促に使えない。
体よく無視されるってのが関の山ってとこかなぁ。
てゆうかそれ以前に興味持たれないかもしんないやw
おまけ
ついでに見つけた巾着茄子と豊栄のやきナスの祖・佐土原茄子に関する記述。
(軍隊地方農事講習全書・大正4年刊・古瀬伝蔵著)
佐土原茄子の系統は豊栄のやきなすの他に、県内では白根のえんぴつ茄子、地元宮崎にはまんま本場の佐土原茄子、そして長野にていざなす、と分散して残っており、それぞれの地域で伝統野菜として高く評価されている。
PR
この記事にコメントする
プロフィール
HN:
じん
性別:
男性
職業:
八百屋(青果物仲卸)
自己紹介:
新潟県長岡市の青果仲卸業・カネヘイ青果の中の人。
仕事の事はあんまり書いてないです。
「酒の進むこと風の如く、
すぐ寝つくこと林の如く、
鯨飲すること火の如く、
泥酔すること山の如とし」
仕事の事はあんまり書いてないです。
「酒の進むこと風の如く、
すぐ寝つくこと林の如く、
鯨飲すること火の如く、
泥酔すること山の如とし」
カテゴリー
お気に入り
最新コメント
[11/20 買取コレクター]
[06/16 じん]
[06/16 ひつじ]
[11/02 いた]
[10/13 ひよどり越えイエロー]
カレンダー
12 | 2025/01 | 02 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | |||
5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
最新記事
最新トラックバック